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「私たちのホ−ムペ−ジを楽しみましょう」
対外広報室副室長 井上 新(熱田支部) 

 この原稿は、名古屋税理士会のホ−ムペ−ジをご覧になり、ご利用下さいと言うお話です。
 21世紀が到来し早くも1ヶ月が経過いたしました。世の中IT・ITと昨世紀末より呪文のように唱えておりますが、関心のない向きにはまったく影響もなく何も変わらない時代かと思われます。しかし、21世紀はこのITを機軸にして大きく時代が展開することは間違いありません。
 ここで、まず、ITだけでなく、技術の進歩と人間の能力について考えてみます。私どもの育った時代のヒ−ロ−「鉄腕アトム」は、西暦2003年4月7日の生まれです。手塚治虫がはじめてこれを画いたのは1951年。現在、技術的にはお金の限度を設けなければ、ほぼ実現可能なところまで来ていると言われています。実現可能である証拠を私は最近のHONDAのTVCMに出てくる「アシモ」で納得しました。中に人が入っているかのように2足歩行し、横にステップしたりもしています。
 50年以上先の時代をほぼ正確に描くことのできた手塚治虫と言う人はやはり尊敬に値します。ただ、マンガと大きく違うのは、「心」の部分が入らないということです。昨年大変話題になったおもちゃ、SONYの「アイボ」というロボット(写真)は、買主の躾方で性格が形成されます。実に巧妙な動きをし、時に感情表現もしますが、人間感情のレベルには至らないようです。やはり、いくら技術が進歩してもそれをコントロ−ルするのは当分の間、人間の役割だと言えましょう。人間の能力は神々が創造した崇高なもので、まだまだ、人間が考える範囲の技術的な最先端では追いつかない部分があると言うことです。
 税理士業界で2003年と言えば電子申告受付開始予定年度です。すぐに、すべてが電子申告になるわけではありませんが、技術進歩がこれほどの早いのであれば、一般の納税者が簡単に直接電子申告できるような通信技術の発達も確実に到来します。少なくとも会計ソフトに至っては既にプレインスト−ルされて、パソコンを購入したらタダでついてることもある時代です。
 しかしながら、いくら電子申告技術が発展しても、「判断業務」は当分の間われわれ税理士の仕事です。前述のロボットでいう「心」の部分が、われわれの業務になるからです。ただし、ロボットが出現し多くの業務を行う以上、その構造・性格等が全くわからないでは、「心」の部分を語ることもできないはずです。電子申告についても同じです。通信技術を全く理解しないで、「判断業務」だけでは、木を見て森を見ない状態になる可能性があります。
 そこで、今から電子申告だけでなくIT社会をリ−ドしていけるように精進努力することが私ども税理士のの使命だと考えます。税理士は、税の専門家であると同時に、中小企業経営者にとっては数少ない相談相手であるはずです。その中小企業にIT化が進んでいくのに、その相談に関与できなければ、それこそ「電子申告も自分でやります」と言う流れになるでしょう。
 最近のホ−ムペ−ジ(以降HP)は、社会的にも中心的な位置づけを担うようになってきました。税務当局においても、HPは現場が判断をする際のスタンダ−ドになりつつあると理解しています。国税庁のホ−ムペ−ジは最新の通達情報をいち早く取得できます。財務省の情報開示については、各署がそのホ−ムペ−ジに掲載済みかどうかで、開示してもいいか否かの判断基準になってきているようです。さらに、国税局のタックスアンサ−では、申告書や各種届出書がほとんど取得できるようになっています。要するに国も電子を中心として行政サ−ビスを展開しようとしているのです。したがって、名古屋税理士会のHPでも、納税者へのサ−ビスの一環として種々な企画をHPに盛り込もうとしています。
 「ゆで蛙」と言うよく聞く喩え話があります。「蛙はいきなり熱湯の入った釜の中に入れると、びっくりして飛び出してしまう。しかし、蛙を釜の水の中に入れ徐々に熱していくと、はじめは水やぬるま湯と思ってむしろ気持ちよくしている。その間にどんどん熱していくと、何時熱くなったのかわからないので、気がつかずにそのままゆで蛙になってしまう。」と言う話です。実験したことないので、これは真実かどうかはわかりませんが、日々の変化が微細で連続的であると、動物や人間の感覚はその変化を捉えにくいのは事実です。
 IT革命は、血を流すわけではないので、気づかないでいればそのまま過ぎていきます。しかし、上記の話のように、現在釜の外に火がつけられ、すでに勢いよく燃えていることは間違いありません。このように、大きな変化をしている時代に、税理士業界だけがのんびり過去の延長線上でものを考えていることはできません。
 ここから具体的に飛び出すためには、まずインタ−ネットに全会員が馴染んで頂くことです。少なくとも、名古屋税理士会内にはイントラネットが構築されているので、このシステム網に入れていただいた方々は、完全に利用することが急務だと考えます。もし、このままであれば、会費の無駄遣いと言う指摘も反論できなくなります。そしてさらに、会員の諸先生方はまず、私どもの名古屋会のHPをご利用していただくことが肝要かと思います。HPを見ると言うことは、インタ−ネットに馴染むことであり、電子メ−ルのやりとりが自在にできれば、来る電子申告の時代にも対応できます。
 私どもの名古屋税理士会HPは、ボランティアで会員の手で作成されております。まだまだ、至らない部分も多いと思っておりますし、更新も思うようには行っていないことも事実です。この点は大きく反省しております。だからこそ、皆様からのご意見を頂き、より良いHPとなるように育てていただけることを期待しております。
 情報収集の基本中の基本は「自ら情報を発信する」ことだと理解しております。情報における因果関係の因は自らの情報発信です。先にマニュアルを精読することやスク−ルに通うことではありません。情報を征するためには、まず実行し発信することです。
 なにとぞ、名古屋税理士会のHPをご覧になって、また、大いにご利用されて、多くのご意見をいただけますようお待ちしております。HPを業務に役立ち、より楽しいものにしていきたいと思っております。ご協力のほどよろしくお願いいたします。
名古屋税理士会2001年2月会報ー<理事の発言・原稿>より

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